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第17回●T・S・エリオット『愛しすぎて〜詩人の恋』

冬の夜が落ち着くのは
廊下でステーキがにおうとき。
六時
煙たい日々が燃え尽きる時。
そして強いにわか雨が包む。
汚い屑
足元の枯れ葉
空き地の新聞紙。
にわか雨がうつ
破れたブラインドと煙突。
街の片隅では
孤独な馬車馬がイライラして踏み鳴らす。
そしてランプが点る。

 これは「プレリュード」という詩の「?」の部分。

 その、ノーベル賞詩人、T・S・エリオット(1888〜1965)を描いた『愛しすぎて〜詩人の恋』(94年)。というのもあった。監督は「星の流れる果て」のブライアン・ギルバート。

 本名はトーマス・スターンズ・エリオット。

 詩人をウイレム・デフォー、エリオットの最初の妻ヴィヴィアンをミランダ・リチャードソンが演じている。もちろん悲しい恋の物語。デフォーじゃ渋すぎる、もう少しいい男の俳優だったらよかったのに・・・というのが実感だが。主観にとらわれないで映画を鑑賞するべきなのだろう。

[あらすじ]

 ともあれ物語はこうだ。

 1914年、イギリスのオックスフォード。上流階級の社交界の花形令嬢だったヴィヴィアン・ヘイウッドと、ハーバード大出身のアメリカ青年エリオットは出会ってすぐに恋に落ち、結婚する。しかしヴィヴィアンはもともと病弱だった。そのため薬の副作用でたびたびヒステリックになり、次第にそれが狂気的発作となってゆく。当然新婚当時から不安定な生活が続くことになる。

 それが原因で、やがてふたりの間はギクシャクしてゆく。ヴィヴの両親は、エリオットの収入の少なさと、バートランド・ラッセル教授に感化されて反戦的な発言をするトムに危機感を持つようになっていた。

 しかし友人たちの励ましで貧しい暮らしにも耐え、なんとか乗り越える。トムは出版社に就職し詩人としても次第に名声を博してゆくが、ヴィヴの病はさらに狂気の度を増してゆくばかりだった。友人のヴァージニア・ウルフも離婚を進言するが、トムはイギリス国籍を取ると、ヴィヴを精神病院へ入れる決心をするのだった・・・。

 「四月は残酷きわまる月」で始まる有名な長編詩集「荒地」(第一次世界大戦の不安を描いたという)の題をつけたのは妻のヴィヴだったといわれている。そして彼がノーベル賞をもらったのはヴィヴが死んだ翌年であった。

 余談だが、1959年にグレゴリー・ペック主演で作られた映画「渚にて」(原題、エンド・オブ・ザ・ワールド)は第三次世界大戦の核爆弾による人類滅亡を描いたものだったが、この映画の中でもエリオットの詩「The Hollow Men」が引用されていた。もうひとつ余談。

 児童向けの詩「キャッツ〜ポッサムおじさんの猫とつきあう法」が世界中で大ヒットしたミュージカル「キャッツ」の原作になっていることは意外に知られていない。童話チックな擬人化された作品というものは、いくらでもミュージカルになりうる要素を持っているのだ。


第36回●鈴木志郎康(1938〜)

第35回●吉増剛造(1939〜)

第34回●塔和子「風の舞〜闇を拓く光の詩」

第33回●田村隆一「恋の罪」

第32回●高村光太郎「智恵子抄」

第31回●室生犀星作品『あにいもうと』

第30回●宮沢賢治その3〜「グスコーブドリの伝記」

第29回●宮沢賢治、その2「モンスターズクラブ」

第28回●宮澤賢治、その1「わが心の銀河鉄道〜宮澤賢治物語」

第27回●紫式部(生没年不詳)

第26回●西條八十「人間の証明」

第25回●野口雨情(1882〜1945)

第24回●金子みすゞ(1903〜1930)

第23回●日本映画編「寺山修司」

第22回●ホルヘ・ルイス・ボルヘス「デス&コンパス」

第21回●マルグリット・デュラス「インディア・ソング」

第20回●シルヴィア・プラスの『シルヴィア』とテッド・ヒューズ

第19回●エドガー・アラン・ポーの『大鴉』から

第18回●パゾリーニの作品群

第17回●T・S・エリオット『愛しすぎて〜詩人の恋』

第16回●ウォルター・ホイットマン「いまを生きる」

第15回●R・M・リルケ

第14回●エミリー・ディキンソン「ソフィーの選択」

第13回●ランボー&ヴェルレーヌ『太陽と月に背いて』

第12回●プーシキン『オネーギンの恋文』

第11回●コールリッジ『愛と哀しみの果て』

第10回●E・E・カミング『ハンナとその姉妹』

第9回●W・H・オーデン『フォー・ウェディング』

第8回●チャールズ・ブコウスキー『酔いどれ詩人になるまえに』

第7回●パブロ・ネルーダ『イル・ポスティーノ』

第6回●ヨハン・ゲーテ『ゲーテ〜君に捧ぐ「若きウェルテルの悩み」』

第5回●ジョン・キーツ『ブライトスター いちばん美しい恋の詩(うた)』

第4回●イエーツ『ノーカントリー』と『ミリオンダラー・ベイビー』

第3回●ウイリアム・ワーズワース『草原の輝き』

第2回●フェデリコ・ガルシア・ロルカ『ロルカ暗殺の丘』

第1回●ジャン・コクトー『詩人の血』


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