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第7回●パブロ・ネルーダ『イル・ポスティーノ』

次はパブロ・ネルーダといきましょう。

 1996年に公開され多くの人の心を揺さぶった映画「イル・ポスティーノ」。ポスティーノとはイタリア語で郵便配達人。

[あらすじ]

 この映画は郵便配達のマリオが、チリから亡命してきたという設定の詩人(もちろんネルーダがモデル)に手紙を届けるようになってふたりの友情が始まる。しかし戦争によってそれも分断されるというもの。


 マリオはその後、詩人が島に残していったテープレコーダーに美しい浜辺の波音や岩にぶつかる風の音、教会の鐘、それから音にならないはずの「星空」さえも録音する。

 そして今まで気がつかなかったものに詩を感じるようになる。その感覚こそが生であり自由であるわけだ。つまり他人の言葉を通して、自分の感情を再発見することが詩を読むということに繋がることになるのだ。

 この映画は一種の映像詩ともいえる。映画そのものがネルーダを主役にしているわけではなく、その中の進行役のようなものだが、重要性は変わらない。だから単なる伝記映画と違うことが良く分かるし、見る側の美意識を磨くのにも役立つ。

 残念ながら完成直後に若くして亡くなってしまったマリオ役のマッシモ・トロイージの演技が素晴らしかった。

 ネルーダは1904〜1973年。バスク系チリ人。チリでは英雄視されている。

 本名はリカルド・エリエセール・ネフタリ・レイエスという。パブロ・ネルーダはペンネームで、崇拝するチェコの詩人、ヤン・ネルダからとったという。

 簡単にその生涯を紹介すると、スペイン内戦では人民戦線側に立ち協力した。チリの上院議員に当選すると共産党に入党したが、時の右翼政権が共産党を非合法にしたので、身の危険を感じて国外逃亡した。

 これが映画「イル・ポスティーノ」に描かれたイタリア亡命時代のことになるわけだ。祖国がアジェンデ社会主義政権になると帰国、フランス大使にも任命されるが、このころがんを発病する。やがて軍部による右派クーデターが起こり、ネルーダは家から引きずり出されて、病院へ付くまでに亡くなっていたという。チリでは「病気で死に、クーデターで死んだ。かれは二度殺されたのだ」と言うそうだ。

 1971年にはノーベル文学賞を受賞している。

 ネルーダの代表作とされるのは「1000の愛のソネット」という作品だが、ここでは「マチュ・ピチュ山頂」という作品の一部を紹介する。

マチュ・ピチュよ おまえは
石の上には石を 土台には襤褸を敷いたか
石炭の上には石炭を 底には涙を
燃え立つ黄金 その中で震えているのは
大粒の赤い血の滴か

(田村さと子訳から)

  ネルーダは、当時のアメリカによるベトナム戦争を批判して「ニクソンサイド」(ニクソンとジェノサイドをくっつけた造語)という本も出している。



第36回●鈴木志郎康(1938〜)

第35回●吉増剛造(1939〜)

第34回●塔和子「風の舞〜闇を拓く光の詩」

第33回●田村隆一「恋の罪」

第32回●高村光太郎「智恵子抄」

第31回●室生犀星作品『あにいもうと』

第30回●宮沢賢治その3〜「グスコーブドリの伝記」

第29回●宮沢賢治、その2「モンスターズクラブ」

第28回●宮澤賢治、その1「わが心の銀河鉄道〜宮澤賢治物語」

第27回●紫式部(生没年不詳)

第26回●西條八十「人間の証明」

第25回●野口雨情(1882〜1945)

第24回●金子みすゞ(1903〜1930)

第23回●日本映画編「寺山修司」

第22回●ホルヘ・ルイス・ボルヘス「デス&コンパス」

第21回●マルグリット・デュラス「インディア・ソング」

第20回●シルヴィア・プラスの『シルヴィア』とテッド・ヒューズ

第19回●エドガー・アラン・ポーの『大鴉』から

第18回●パゾリーニの作品群

第17回●T・S・エリオット『愛しすぎて〜詩人の恋』

第16回●ウォルター・ホイットマン「いまを生きる」

第15回●R・M・リルケ

第14回●エミリー・ディキンソン「ソフィーの選択」

第13回●ランボー&ヴェルレーヌ『太陽と月に背いて』

第12回●プーシキン『オネーギンの恋文』

第11回●コールリッジ『愛と哀しみの果て』

第10回●E・E・カミング『ハンナとその姉妹』

第9回●W・H・オーデン『フォー・ウェディング』

第8回●チャールズ・ブコウスキー『酔いどれ詩人になるまえに』

第7回●パブロ・ネルーダ『イル・ポスティーノ』

第6回●ヨハン・ゲーテ『ゲーテ〜君に捧ぐ「若きウェルテルの悩み」』

第5回●ジョン・キーツ『ブライトスター いちばん美しい恋の詩(うた)』

第4回●イエーツ『ノーカントリー』と『ミリオンダラー・ベイビー』

第3回●ウイリアム・ワーズワース『草原の輝き』

第2回●フェデリコ・ガルシア・ロルカ『ロルカ暗殺の丘』

第1回●ジャン・コクトー『詩人の血』


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