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第31回●室生犀星作品『あにいもうと』

 室生犀星は、珍しく骨太でありながら繊細な作家であり詩人だ。その小説は数多く映画化されている。

 まず成瀬巳喜男監督、船越英二、京マチ子、森雅之主演(1953年)から紹介しよう。

 76年にも秋吉久美子、草刈正雄主演でもう一度作られている。その他、55年には「麦笛」、57年「地獄花」、58年「杏っ子」(これは東京新聞夕刊に連載された名作で、成瀬巳喜男監督、香川京子、山村聡主演)などが作られている。

 とりあえず「あにいもうと」の簡単なストーリーをなぞっておこう。

[あらすじ]

 川師の親方として力があった赤座だが、堤防工事の仕事を横取りされ、すっかり落ち目。そのため機嫌も悪い。そんな時奉公に出していた娘のもんが、小畑という学生と出来てしまいお腹を大きくして家に帰ってくる。

 怒鳴り散らす赤座。仲のよかった兄の伊之吉ももんを罵倒。いたたまれなくなってとうとう家を出ていってしまう。

 末娘のさんは、看護学校に通っていて、うどん屋の跡取り、鯛一と良い仲だった。しかし学校のお金は姉のもんに援助してもらっていたので、もんが家を出ていってしまったため、通うのも難しくなる。鯛一はさんとの駆け落ちも考えるが、さんになだめられて諦める。

 翌年、もんとさんは家に戻ってくるが、鯛一はすでに他の女と結婚し、家を継いでいた。もんはその後、ひとから後ろ指を指されるようないかがわしい生活をしていたので、父や兄にそれが知られると、また叱責を受ける羽目に。そしてもんは再び家を出る決心をするのだった・・・。

 室生犀星といえば、金沢だ。本名照道。1889年(明治22年)、加賀藩足軽頭、小畠弥左衛門吉種の子供として生まれる。だが母は正式な妻ではなかった。いわゆる私生児である。これが犀星を生涯苦しめることになる。

 真言宗のお寺に引き取られ、7歳の時に養子に出された。1902年に金沢地方裁判所に給仕として勤めるが、その時の上司が俳人だったことから手ほどきを受け、やがて新聞などへ投稿を始めた。

 1913年に北原白秋に認められ、次第に頭角を表す。同時に小説にも手を染めるようになっていった。現在ではむしろ、「性に目覚める頃」や、この映画にもなった「あにいもうと」、自伝的作品で「読売文学賞を受賞した「杏っ子」などの作家としての知名度が高いが、真髄はやはり「詩」であったろう。

 あまりにも有名な『叙情小曲集』の中の「小景異情」は誰でも知っている。故郷金沢を思いながら歌ったのであろう。

ふるさとは遠きにありて思ふもの
そして悲しくうたうもの
よしや
うらぶれて異土の乞食(かたい)となるとても
帰るところにあるまじや
ひとり都のゆふぐれに
ふるさとおもひ涙ぐむ
そのこころもて
遠きみやこにかえらばや
遠きみやこへかえらばや

 毎日出版文化賞を受賞した「わが愛する詩人の伝記」は詩人なら必読だ。生涯にこの「叙情小曲集」や「寂しき都会」「青き魚を釣る人」「高麗の花」など二十数冊の詩集をものしている。


第36回●鈴木志郎康(1938〜)

第35回●吉増剛造(1939〜)

第34回●塔和子「風の舞〜闇を拓く光の詩」

第33回●田村隆一「恋の罪」

第32回●高村光太郎「智恵子抄」

第31回●室生犀星作品『あにいもうと』

第30回●宮沢賢治その3〜「グスコーブドリの伝記」

第29回●宮沢賢治、その2「モンスターズクラブ」

第28回●宮澤賢治、その1「わが心の銀河鉄道〜宮澤賢治物語」

第27回●紫式部(生没年不詳)

第26回●西條八十「人間の証明」

第25回●野口雨情(1882〜1945)

第24回●金子みすゞ(1903〜1930)

第23回●日本映画編「寺山修司」

第22回●ホルヘ・ルイス・ボルヘス「デス&コンパス」

第21回●マルグリット・デュラス「インディア・ソング」

第20回●シルヴィア・プラスの『シルヴィア』とテッド・ヒューズ

第19回●エドガー・アラン・ポーの『大鴉』から

第18回●パゾリーニの作品群

第17回●T・S・エリオット『愛しすぎて〜詩人の恋』

第16回●ウォルター・ホイットマン「いまを生きる」

第15回●R・M・リルケ

第14回●エミリー・ディキンソン「ソフィーの選択」

第13回●ランボー&ヴェルレーヌ『太陽と月に背いて』

第12回●プーシキン『オネーギンの恋文』

第11回●コールリッジ『愛と哀しみの果て』

第10回●E・E・カミング『ハンナとその姉妹』

第9回●W・H・オーデン『フォー・ウェディング』

第8回●チャールズ・ブコウスキー『酔いどれ詩人になるまえに』

第7回●パブロ・ネルーダ『イル・ポスティーノ』

第6回●ヨハン・ゲーテ『ゲーテ〜君に捧ぐ「若きウェルテルの悩み」』

第5回●ジョン・キーツ『ブライトスター いちばん美しい恋の詩(うた)』

第4回●イエーツ『ノーカントリー』と『ミリオンダラー・ベイビー』

第3回●ウイリアム・ワーズワース『草原の輝き』

第2回●フェデリコ・ガルシア・ロルカ『ロルカ暗殺の丘』

第1回●ジャン・コクトー『詩人の血』


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